この店を開業する時に、家族・身内にある「おふれ」を出した。
その「おふれ」とはお知り合いの方に
「お店を始めました。ぜひ来てください!」という事をこちらから絶対に言わないように。という事。
いくら知り合いの方でも、こっちからいきなりそう言われたらどんな気がするだろうって考えてしまう。
もちろん先方から、お店の事を聞かれたらキチンと説明はするんですが。
ボクからしたら「来て来て」=「買って買って」であり、この「買って」という言葉にココ何年か
もの凄く拒絶反応があり、吐き気までしてきそうな言葉でもある。
この業界に入りサラリーマンだった頃「期間セール」「激安セール」「集客しての展示会」等を経験してきた。
会社を維持するには必要な行為なのであろう・・・
ただ何年か経つうちに、ボクには売上だけを必死に追い求める行為にしか感じなくなった。
(かん違いがあるといけないので付け加えるがあくまでもこれはボクが感じただけである。)
サラリーマンだった頃、ボクが子供の頃から知っている方がセールの時に御来店された。
その時に「まぁ西岡君、商売上手になったねぇ」って。
その方は激安商品を目当てに御来店くださったのだが最終的に決まったのはその激安商品ではなかった。
当然そのお客様は「嫌味」のつもりで言ったのでない事はわかっている。
でもボクは「罪悪感」と「自己嫌悪」に襲われた。
そして、その日から自分を慕ってくれるお客さまがセール時に御来店されることが怖かった。
「にしおか眼鏡舗」を開業する際に経営上、自分の中でたてた誓がある。
①「セール」は行わない。
②他人様を従業員として雇わない。
①の「セールを行わない」は、
・その行為をすることでお客様の楽しみよりお客様の売上を先に追ってしまうから。
・常日頃、その時に「適正な自店価格」をお客様に提示したい。
・期間的に安くするという一時的な「値引き行為」は先々でお客様に誤解を招くこととなる。
・自分の目の前にいらっしゃるお客様にゆっくりと楽しんでいただきたいため。
②の「他人様を雇わない」は、
・もし万が一の事態になった時に他人様を路頭に迷わすことは自分にはできない。
・おもてなしから検査、加工、お渡し、アフター全て自分で行う事で初めてお客様は安心していただけると信じている。
(くどい様だが、あくまでもボクの考えである。)
冒頭での「おふれ」は、もしかしたら高飛車に感じられたり、かん違いさせているかもしれない・・・
もしそうだとしても、それはそれで仕方ないことだと思っている。
不器用なボクは「口先商売」はできない。
目の前にいらっしゃるお客さまに、どうしたら楽しんでいただけるかと考えるので精一杯だ。
「商売=お金儲け」が風習となっているこの時代。
だからボクは自分が守っているこのお店では「商売」はやりたくない。
あくまで眼鏡を愛してその楽しさをお伝えしていく「仕事場」としてやっている。
キレイごとばっかりに聞こえるかもしれないが死ぬまでこの信念は絶対に変わらぬ誓である。
自分が自分であるために。
だから、これでいいのだ!
SECRET: 0
PASS: 3add5e33773845a676b65eac5558ff07
素敵なお話ですね。いいお話を読ませていただきました。
ありがとうございます。
^o^/~katsundo